奈良岡整体

告知と哲学を記します

ブレインファンタジーⅡ

実はクラニオほど線引きが曖昧なものはない。厳格なルールがあるような、ないような。ただただ日本の仏教宗派的な状況でもある。それが自分の宗派は正しいけど、他の宗派は間違いだという状態が起こします。

 

ラニオの宗派みたいのを大きく分けると2つになります。骨を調節するやり方と、体内のリズム(球体が膨らんで戻るような規則的な動き)を感じ取るやり方があります。(例の漏れずこの二派も牽制しあっている)

 

まず前者の骨を調節する派の代表的な方法が、アプレジャーという人が考えた10ステッププロトコルです。10種類の手技の手順を踏むだけで一定の効果があるという方法論です。元々は看護師などの医療関係者向けに開発されたようです。脳の内部構造や生命力に深入りせず(勿論学ぶけど深くはない)、5g程度タッチで縫合を起点に牽引などして骨や硬膜が受けるストレス反応(固着)などを間接法(アンダイレクトテクニック)でリリースしていきます。

 

例えば、頭頂骨と側頭骨は、鱗状縫合と蝶頭頂縫合を共有しています。頭頂骨を上方へ牽引すると、右の鱗状縫合・蝶頭頂縫合が固着しているのに気づきます。そのため、この縫合を収縮方向へ約90秒程度静止すると、右の縫合面の固着が消えます。再評価すると左右の均衡を取り戻せた事に気付きます。このようなYES or NO方式で、縫合を評価し、固着を解除していきます。これにより頭蓋腔に弾力が戻り、内部の血液循環や静脈洞のドレナージュも成されます。

 

中でもCV4(及びEV4)という独特のテクニックがあります。これは第四脳室を圧迫し、脳脊髄液の吸気を促すテクニックです(EV4は呼気)。ここでは初めてスティルポイント(静止点)を体験する事になります。10ステッププロトコルが考えるスティルポイントはどちらかというとリセット機能のように僕は考えています。パソコンで言うところの再起動に近いかなと。CV4によるスティルポイントは体験してもあまり受け手が何かを知覚することは少ないように思います。

 

また、これらの方法は二次呼吸(肺呼吸)と同等のリズム感のCRIというリズムを感じます。移ろいやすく、一定でもなく、外部に左右される波のようなリズムです。欲を言えば、このリズムに合わせて間接法を施す事で、効果が得られるというよりは、患者の身体的なストレスを避けることができるでしょう。

 

最近もてはやされているクラニアルな整体法は骨を調整するため、アプレジャーの10ステッププロトコルの超進化版といえるかもしれません。例えばアステリオン仙腸関節が同調していて、アステリオンの硬直をリリースすると、仙腸関節も弾力が生まれるというシンクロ的変化は容易に多く探し当てる事ができます。いかにも男性的で、汎用性と再現性の高い方法で、なおかつわかりやすく効果的だと思います。

 

最後に僕個人の意見を申します。

 

結局なんでも緊張や硬直を患側と捉える。これは大間違い。右のプテリオンは硬くて当たり前です。それは胎生学を学べば一目瞭然。生まれつき誰しも右のプテリオンは硬直しているのに、これは患側なのでしょうか?構造を中心としたものの見方は常に患側を術者が評価し、変化を与える。でもそれほんとに正しいんですか?

 

あとは感動がないんだよねー。要するに心が動かない。構造は大切な要素ですが、生命という観点でみると、一つの見方に過ぎません。人を治療せしめる上で、心が動くことって大切だなと僕は思うんです。歩行に困難がある場合、構造的なアプローチと同じだけ、ちゃんと自分で歩いて何かを成し遂げたい!と思うことがエネルギーを生み、それを活かすのが構造ではないかと思うのです。そういう精神論って僕は治療において大切だと思っています。

 

さて、次回はクラニオの後者のタイプ。リズム感応波について書きたいと思います。(前置き長いけど、次を一番書きたいのである)

 

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