奈良岡整体

告知と哲学を記します

メスを入れる前にできることがある

手術は病気を帳消しにしてくれるものではありません!

人体に不可逆的(もう二度と戻れない)な変化が発生します。

過去は手術によって消えることもなければ、もう選択肢がなく後には戻れない新しい自分になってしまう大きなターニングポイントです。

 

 頚椎への整体や処置を考えてみましょう。

 

ここにあるべきだ!とか、図鑑では真っ直ぐに描かれている、というのは自然と刷り込まれている概念的な事実です。でも実際に整体を行っていると、必ずしも真っ直ぐが正解ではない場合があります。逆に真っ直ぐきれいに整っている人なんて実際はいません。絵に描いた餅とはこのことです。

 

施す側(セラピストや医者)の正解は図鑑通りに頚椎が整列している状態を正解(目的)とします。そしてそれに近づけようとします。でも、本質的には患者さん側は今ある痛みが軽減ないし消失することが目的です。

 

施す側は真っ直ぐ整うことで、今ある痛みが緩和すると、勝手に思い込んでいます。これはあながち間違いではありません。でも患者さんには正解ではない場合があります。

 

例えば処置としては頚椎ヘルニアの手術は間違いなく成功したのに、術後、患者さんは精神的に疲労を感じてしまうという現象が起きてしまうのです。

 

処置は確かに成功しているんでしょうね。しかし、それはあくまでも医者目線での処置における及第点です。でも、皮膚を切り、骨を削る時点で身体は物理的に傷ついていますし、それが患者さんが必ずしも今ある痛みから解放される方法ではないという事実を、ありのままに捉える必要があると思います。

 

僕はある時から、一応骨格を主体とした関節の状態を今でも確認はします。しかし、あまり主軸を置かなくなりました。この強烈な固定概念からの脱獄はすごく難しい。外から他人がカタチを評価しても患者さん個々に正解は違うんですよね。じゃ答えは一体??

 

患者さんにとっての正解は、患者さん自身の身体の中にしかないと僕は思います。まるで暗号化された情報のようで、読み解く必要があります。目に見える事実なんて、素人でもわかるようなことですし、目に見えない事実を炙りだせるのがプロだと僕はおもいます。

 

暗号化された情報をハッキング(深い知識と感覚で読み解く)するのに必要なのが、ありのままを観る目と、それを保つ集中力という極めて感覚的なセンスだと僕は思います(当たり前だけど基礎知識、基礎技術も!)。これには日々の鍛錬が必要です。

 

人から見たらストイックに見えるかもしれませんが、僕はプロなので、最高のパフォーマンスで患者さんと向き合うために僕の日々を費やしています。

 

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