奈良岡整体

告知と哲学を記します

僕の妻は整体師

僕の妻は整体をしています。妻と出会った時、僕の目から妻のマッサージのセンスは中くらいだなと僕は思っていました。そんな妻が今、才能を開花し、沢山の女性患者さんに求められています。本当に我が妻ながら、すごいなと感心しています。この素晴らしい結果には大きなヒントが隠されているのでお伝えできたらなと思います。

 

【おてあてという整体方法】

これは、私が“セラピストのためのないぞう”という本を文芸社から出版した時期に、女性セラピストをメインにお伝えしていた整体技術です。このおてあてという整体法は、女性セラピストのライフスタイルや、女性本来のセンスや在り方、体格や体調のバランスなどあらゆる事を考慮し、試行錯誤し開発した方法です。当然、女性セラピストのために作ったメソッドですから、僕がするより、女性が行った方がフィットするコンテンツだったと思います。妻も多少変化していますが、基本的には私が過去にお伝えしたおてあてを整体的に行っています。これがすごく喜ばれているのを見ると、おてあて整体法のコンテンツ自体はなかなかの内容だったように今更ながら実感しています。

 

【誰もできなかったおてあて】

女性メインにこのおてあてという整体法をお伝えしていきました。約600人くらいに指導しましたが、実は殆どの女性がこの技術を獲得できませんでした。確率的には200人に1人くらいだと思います。じゃ、センス的には中程度の妻が、どうしてこんなに使いこなせ、患者さんを満たすことができるのでしょうか?私の妻だからでは決してありません。また、妻のルックスやホスピタリティなど技術以外の影響でもありません。答えはいくつかあります。

 

『侮らない』

僕の元に学びに来た女性の中で、骨格や関節という人間の身体の根本的な部分を知らないのにも関わらず、どこか関節を扱う基本知識や技術を侮っている方が沢山いました。関節がどんな状態かで、その患者さんの心理状況まで現れてしまうような関節を侮り、蔑み、ややバカにしたような人たちが実は結構いました。心が崇高で、関節が下等だなんて思う事自体、心をバカにしているんです。だって、心は脳や身体感覚からパターン化された現象に過ぎないわけですから。妻は今でひとつひとつとても丁寧に関節を観察しています。まさに侮ることはありません。

 

『敬意をもつ』

殆どの生徒さんは、男女問わず、とにかく浮気性です。あれも学びたい、これも学びたいと、優良そうな方法や流行的な技術を貪ります。飽きもせず何度も何度も・・・でも、貪って、なんでもかんでも手を出すから、一つもまともな技術じゃありません。リラクゼーションセラピストって、的確に筋肉や関節を捉えて、様々なバリエーションで押圧する技術を問われます。これは大変深い技術です。圧の入れ方一つで、筋肉は緊張したり、弛んだりって実は自由自在です。これが技術って言うんですけどね。こんなに深い仕事に従事しているのに、やれ、小顔だ、胃を小さくするだ、心理学だ、お灸だ、よもぎ蒸しだとあれこれ着手しては、中途半端にメニュー化し並べて満足します。ひとつひとつは素晴らしい学びなのに、雑に扱うが故、その素晴らしさに気付かない。気づけないから雑に扱うんでしょうけどね。そんなに簡単なもんじゃないよ。

 

『自分を省みない』

大きな勘違いセラピストの一翼を担うのが、自分が病んでいるから、病んでいる相手の気持ちをわかってあげられる!という勘違いです。これは傷を舐め合うだけで、最終的には不幸や苦悩を生み出すだけです。お釈迦さんは、弟子に、なぜあなただけ悟ったのですか?私たちも一緒に悟りの道を歩みたかったと問われ、こう言いました。「アリ地獄の中にいる者が、アリ地獄からの脱出方法はわからない」まさにこれです。あなたがもし、患者さんを健康にしたいと思うなら、セラピストが健康である必要があります。あなたが患者さんに癒しをもたらしたいと考えるなら、あなたの心が穏やかである必要があります。妻はそう考えると、過不足のない、均整のとれたライフスタイルを送っています。それが妻が患者さんに届けたい大切な要素なんだといつも感心しております。

 

 

【まとめ】

他にも細かいところは沢山あるんですが、大きな括りではこの辺で、相違があったように思います。かといって妻は料理もちゃんと美味しく作るし、家事も割と丁寧に行ってくれます。ライフスタイルの中に整体の学びはあり、整体と共にライフスタイルがあるのです。あれもこれも技術を貪るより、より良い生活、より良い在り方に実は本当の技術を磨く方法があるんだと思います。特に女性はそうなんだろうなと私は思います。

 

最後に一番大切な事ですが、妻はたった一つのこの方法だけを三年以上ただ直向きにやっています。

 

 

ヒーラー奈良岡元

www.naraokahajime.com